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寄付チラシの基礎知識

2020.5.04

【寄付チラシチェックポイント1】どこで、誰にどのように使うか想定できていますか?


どうすれば、「寄付しようかな」と思ってもらえるチラシをつくれるか。
読み手が寄付してみたくなる、その最後の一歩を促すチラシをつくる上で、押さえておきたいポイントをご説明していきます。

今回ご説明するのは、
「どこで、誰にどのように使うか想定できていますか?」
です。

 

●どこに配ろうか、と印刷をしてから考えるのは遅い

例えば、チラシを作ります、印刷されました、じゃあどこに配ろうか?
…と、印刷した後に考えるのはちょっと遅いんですね。
正確には、順番が逆です。

どんな場面で、誰に、そしてどのように使うのか?

この3点を、チラシをつくる前に明文化しておくことが大事です。
手配りなのか?
郵送なのか?
活動を知っている人に配るのか?
全く活動のことを知らない人に配るのか?

それによって、チラシの内容は、全然変わってきます。
どんな前提で、どこから文章を載せていくか、といった文量も変わってきます。

●活動のことを知らない人に配る場合の寄付チラシ事例

具体的な事例をご紹介していきます。

こちら、長野サマライズ・センターさんの寄付チラシです。
長野県を拠点に聴覚障がいのあるお子さんをサポートする活動をされています。

認定NPO法人 長野サマライズ・センター https://www.nagasama.net

オモテ面には、
「聞こえづらい方は、世の中に10%」
という言葉を入れて、そもそも、聴覚障がいって何なのか、知らない人にとって説明することができるチラシのつくり方をしています。

そして、聴覚障がいを持つお子さんが小学校で、どういう課題を抱えているか、どんな社会課題があるのか?といった説明や長野サマライズ・センターさんが、その課題に対してどういう事を実践してきたか、こういったことを話をしています。

ウラ面でようやく、応援メッセージであるとか、寄付のお願いや税制控除について触れています。

いきなり寄付のお願いから入るか、そもそもの説明から入るか。
要は、活動テーマをどの程度理解されている方にチラシを渡すのか、それによって、チラシの内容は大きく変わります。

これが例えば、長野サマライズ・センターさんの代表の講演を聞いた後に配られるチラシであれば、ある程度前提情報を省略して、ストレートに寄付のお願いを、オモテ面から始められるかもしれません。

 

●郵送をメインに使う場合の寄付チラシ事例

次にご紹介するのは、京都犯罪被害者支援センターさんの寄付チラシ事例です。

京都犯罪被害者支援センター http://kvsc.kyoto.jp

こちらのオモテ面、上がちょっと空欄になってますね。
そして下はミシン目で郵便振り込み書が付いています。

どうして、空欄になっているか分かりますか?

 

・・・

・・

 

これは、その状況、状況に応じて手差し印刷をすることができるカスタマイズ可能なチラシになっています。

その時その時で伝えたい文言、メッセージをカスタマイズして、後から印刷をすることができます。

例えば、緊急募金のお願いとしてもこのチラシは使えますし、
過去に一度寄付してくれた方に継続寄付のお願いという形でも使うことができます。

そのため、大量部数、数千部刷って、何年も使い続けていくことが可能です。

ウラ面は、ほぼ何年経っても変わらないだろうという情報を載せている形になります。

これは主に郵送することを想定して作られているチラシになります。

つまりは、チラシをどういう場面で使うのか?そういったことを想定しないと、
このカスタマイズ可能なチラシと言う発想は生まれてきません。

どんな場面で、誰に、そしてどのように使うのか?
その想定によって、内容も、構成も、ガラリと変わってきます。

 

●まとめ

チラシを作ります、印刷されました、じゃあどこに配ろうか?
…と、印刷した後に考えるのはちょっと遅い。その理由がご理解いただけましたでしょうか?

どこで誰にどのように使うかが決まらないと、
何をどこまで載せたらいいか決めることができないのです。

ぜひ、チラシを作る前に、どんな場面で、誰に、そしてどのように使うのかを想定していただいて、現場で機能するチラシを仕上げていただきたいです。