ページトップ

お知らせ

2023.11.02

寄付・会員募集チラシによくある「〇円あれば何ができます」はどう設定する?しぶたねさんの個別相談会レポート/「第1期 キフフDIYプログラム」


寄付チラシをCanvaで制作するスキルを身につける、NPOのためのレクチャー&実践の機会「キフフDIYプログラム」。2回の基礎レクチャーを終えて迎えた個別相談会。今回は、病気のある子どものきょうだいのための団体「しぶたね」の代表の清田さんと、きょうだいさんたちの味方「たねまき戦隊シブレンジャー」レッドさんからの疑問にお答えしました!

しぶたねさんとの記念撮影

※Canvaの「N」です

2003年から活動されているしぶたねさんが、20周年の節目につくろうとしているのは、団体の顔となる“レッド”を前面に押し出した、企業会員を募るチラシです。

制作の前提

・すでにつながりのある企業さんに、「広告効果もあるかも」と思ってもらいたい。
・学会に出展するブースなどで知り合った企業さんに説明する際にも使えたら…。
・その他、どこで配布・配架したらどのくらい反応があるかを知るために、新たな試みにチャレンジしたい

というわけで、さっそくしぶたねさんがCanvaでつくっている企業会員募集チラシ(制作中)を拝見しながら、困りポイント・悩みポイントをお伺いしてみました。

しぶたねさんが制作中のチラシ案

 

しぶたねさんが難しいなと感じたこと、迷ったこと

・どんな色をどうあしらうとよいのかな、と迷います。
・「いくらあれば何ができる」という寄付額の目安のところの設定が難しいです…。
 「レッドの人件費」になります、という訴求は、“ヒーローと人件費”というギャップを面白がってもらえるのか、ちょっと攻めすぎか、迷っています。

毎日、講演やきょうだいに寄り添うイベントなどで全国を忙しく駆け回っているお二人ですが、短い時間でキフフDIYのテンプレートを駆使して、節目の特別感や他団体との差別化を意識されようと奮闘されている様子が伝わってきました!

しぶたねさんにご相談いただいた内容のうち、この記事では他団体にも参考になりそうなことについて、一部をご紹介したいと思います。

企画について

Q:NPOによくある「いくらあれば何ができる」の訴求は、どう決めたらいい?

キフフの担当デザイナー林田が、いろんな寄付チラシのデザインを手がけたり、認定ファンドレイザーの方に伴走していただいた経験から、これかな?と思っているセオリーは以下です。

▼寄付チラシをつくる前に、寄付の企画を立てる

成功している団体さんは、チラシを作ってから「どこに配ろうか」と考えるのではなく、チラシを作る前から、いつどこに何枚くらい配って、それぞれどのくらい反応がありそうか、という予測を立てると良いと思います。
(そうすると、この層にはこのチラシ訴求では無理そう…などということがわかってきて、より想定読者に合ったチラシのパターンが生まれていきます)

▼「竹」(中間)の額から考える

何人からいくら集めるか、を決めると平均寄付単価が出せますよね。その額をもとに、「竹」(中間)の額を設定します。その上で、上下の「梅」・「松」の額を設定します。この際、選択肢は3つのことが多いですが、5つの場合もあります。

▼その金額で実現できる「コト」の先にある“happy”は何かを検討する

金額が決まったら、その金額で実現したいことや結果を検討していきます。その際気をつけたいのが、「コト」の“その先の何か”を伝えること。たとえば「〇枚分の印刷費に充てます」などと言われるより「〇人に大切な情報を届けることができます」といった表現のほうが、読む方にはグッときますよね。

▼いろんな切り口で訴求する

「3000円なら一人の子どもに〇〇できます」、「6000円なら2人の子どもに〇〇できます」などとひとつの活動で、ただ金額のバリエーションがあるだけという状態にするよりは、さまざまな切り口の“happy”を紹介するとよいでしょう。うまく訴求すると「こんな活動もしてるんだ」と活動紹介代わりにすることができます。

デザインについて

Q:チラシにどんな色をあしらったらよいか迷います…

団体ロゴがあるときは、ロゴに使われている色をベースにするとよいと思います。
しぶたねさんの場合は、ロゴの中に7色があしらわれていますので、それらの色をスポイトで抽出してデザインに配置しておくと便利です。
あるいは、Canvaの「ブランド」メニューの中にカラーパレットとして登録しておくと、デザインの際に候補色として使いやすい状態になります。
団体の「ブランド」を設定しておくと他のスタッフにも共有ができて便利ですよ。

ロゴからカラーを抽出する映像です

<素材について>

Q:団体キャラ(レッド)のいろんなポーズ写真を撮ってストックしておきたいのですが、どんなポーズを撮っておくべきか、バリエーションが思いつきません。

林田は定期的にCanvaや寄付チラシについて解説するYouTube動画を公開しているのですが、サムネイル画像をつくるたびに、同じ服装に着がえるのも時間がかかりますし、「今日はどんなポーズをしようかな…」などとイチからポーズの撮影していたら大変です。

そのため、必要になるバリエーションをあらかじめリストアップして、写真を撮り、背景を切り抜いた形ですぐに貼り付けられる素材としてCanvaにアップロードしています。

この素材のバリエーションですが、人気のあるYouTuberの方の動画のサムネイルなどを参考にして「喜怒哀楽」や「OK/NG」といった表情、いろんな方向を向いた「指さし」などのポーズをなるべく多くリストにしています。

切り抜かれた林田の画像が並べられています

林田ポーズ素材集

<Canvaについて>

Q:Canvaをたくさん使うと、「最近のデザイン」が増えすぎて、必要なデザインを探せなくなりそう

Canvaは使ったのが最近のもの順に並びますが、複数案件を並行して進めつつ、バックアップを取ったりしていると何がどこにあるかわからなくなってしまいますよね。
そんなときは、「プロジェクト」に案件ごとのフォルダをつくり、デザインに変更を加えるたびに、デザインの名前を日付にしていくとよいかもしれません。

Q:Canvaのデザインの保存量の上限はありますか?

有料プランですと1人につき1TB(テラバイト)ありますので、まず足りなくなることはないと思いますよ。

…限られた時間ということで、デザインフィードバックというよりは企画や掲載する内容がメインの個別相談会となりましたが、合間に「他団体の振込扱票の裏側のあしらい」や「表・裏の振込扱票の左右のスペースのあしらい」といった、「細かすぎるNPO広報物の事例あれこれ」についてもいろいろ事例共有させていただきました!

 

しぶたねさん「パワポを使えなかったスタッフがCanvaでプレゼンできるようになりました」

代表の清田さんはAdobe Illustratorも使えるのですが、他のスタッフさんはMicrosoft Power Pointも苦手で敬遠するほどのスキルだったそうです。しかしそのスタッフさんが、1か月もたたないうちにCanvaを駆使してプレゼン資料を作り始めているとのことで、その激変ぶりの理由を聞いてみました。

清田さん「近い関係の人から教わると、素直に受け入れにくいこともあったり、教えるほうも“なんでわからないの〜?”となってしまったりしがちですが、このプログラムでは、プロである林田さんが、ただただわかりやすく教えてくださるからだと思います。
あと、復習用の動画もいただけるので、実際に手を動かす段階になってわからないことがあっても『あ、これはここから設定できたんだ』ということも振り返れるのがとってもありがたいです。
毎回、今回だけでなく今後につながるヒントを次々教えていただけるので、もっとできるかも、やってみたい、という気持ちになります。」

とのことでした。貴重なメッセージ、ありがとうございます!!

 

Canvaの無料講座をYouTubeで公開中!

「第1期 キフフDIYプログラム」に間に合わなかった団体さん、条件に当てはまらなかった団体さんも、ご安心ください!
Canvaの無料講座をYouTubeで公開しています。
https://www.youtube.com/@design4npo/streams

Canvaの無料講座サムネイル一覧

小規模、中規模の団体でもデザインの力で 大規模団体に負けないくらいの寄付や想いを集められたらとの想いでこうしたプログラムや無料講座を展開していますが、「この広報物はプロの力を借りたい…」という時は、お気軽にお問い合わせくださいね。

<お問い合わせ>
株式会社ガハハ キフフ担当:林田
https://kifufu.net/contact/