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2024.11.26

キフフDIYプログラムが団体にもたらすものとは?/「第2期 キフフDIYプログラム」報告会レポート


株式会社ガハハでは「志あるお金を、すみずみに」をスローガンに、NPO団体がデザインツール「Canva」を使いこなすための「キフフDIYプログラム」を実施しています。

2024年3月からの第2期プログラムに参加した2団体は、半年弱でどんなものを完成させ、それをどう使っていくのでしょうか。このレポートでは5・6回目の完成・最終報告会でのエッセンスをお届けします。

ユースコミュニティーさん発表:大学生インターンさんによって2種の寄付チラシが完成

まずは東京都大田区で、子どもの学習支援と居場所づくりに取り組んでおられるユースコミュニティーさんの発表です。大学生インターンのお二人が「10周年記念の賛助会員募集チラシ」と、「小学生の居場所支援への寄付を募るチラシ」の制作にチャレンジしました。

賛助会員募集チラシは、寄付チラシとの差別化を意識し、10年間の感謝を

10周年を記念して制作する賛助会員募集チラシで意識したことは、“寄付を募るチラシとの差別化”だったのだそう。「賛助会員募集チラシをどんな人が手に取るのか」を考えたときに、10年の間に関わっていただいた2,000人を超えるボランティアの皆さんが中心となるため、彼ら・彼女らに懐かしく思ってもらおうと、表面では過去のボランティアさんの集合写真をふんだんにあしらったとのこと。
載せたいことがたくさんあるため情報の取捨選択に苦心されたとのことですが、誰が手に取り、どう思ってもらいたいかを想定して内容を決められたことがすばらしいですね。

裏面も、当初考えていた「寄付のお願い」と「データの解説」からなる構成から、代表による10年間のお礼やイラストつきのこれからのビジョン、寄付の使い道…という構成に。

寄付やボランティアのお願いをするチラシとして「これまでのありがとう」や「これからのこと」を伝える姿勢は好感を持ってもらえそうです。

寄付チラシでは、一貫性を意識し、子どもや若者を支えてほしいと訴求

小学生の居場所支援への寄付を募るチラシも、「表はシンプル、裏に説明」という構成で、両面ブラッシュアップがなされました。表面は細やかな調整が入っています。

裏面は、「現状の課題→団体の活動→寄付の使い道→大学生ボランティアからの感謝の声」…というように、話の筋が通るよう意識されたそうです。当初は「あれも、これも…」と様々な情報を入れ込んだためにややバラバラした印象でしたが、「一貫性を大切に」というフィードバックを受けてブラッシュアップした結果、読者にとってより自然な流れになりました。

「デザイナーさんが作ったのではない」と感じてもらうことが、ねらいのひとつ

代表の濱住さんいわく、「デザイナーさんにお金を払って制作したのではなく、大学生インターンが頑張って手作りしたとわかる感じをあえて残した」のがポイントだそう。

そう、この2種のチラシの大きな特徴は、いずれも裏面下部で「大学生インターンがこのチラシをがんばって作った!」ということをインターンのご本人の声として掲載しているのです。普段、黒子に徹しているプロのデザイナーには思いつかない、内部制作だからこそ出てきたアイデアですね。

チラシを郵送する際には、今回のインターンさんの頑張りを伝える記事を同封してみるとのことで、「がんばったインターン学生の気持ち」を前面にアピールしていくとのことでした…!

郵送前に、SNSで「こんなものをこれから皆さんのお手元に送りますね」とご案内しておくと、注目率や開封率が変わって来るかもしれませんね。

9月30日までに20万円のご寄付をいただくことが目標だそうで、まずはすでにかかわってくださっているボランティアの方々とのワークショップや、サポーター通信、各教室の振り返り会などで内部向けにご案内していくほか、ボランティアのOB・OGさんたちへの郵送、教室のある地域のご近所さんや地域の連絡会でのご案内、近隣の企業に訪問する際の手渡しなどと、徐々にアピールを広げていくのだそう。

実際にどのくらい寄付をいただけるのか、結果が楽しみですね!

WAFCAさん発表:「手に取るシーン」や「印刷/折り」をリアルに想定して構成

続いて、障害のあるアジアの子どもたちの可能性を支援する、愛知県刈谷市に本部のあるアジア車いす交流センターさん(以下『WAFCA(ワフカ)』さん)の発表。『WAFCA(ワフカ)』さんは、会員募集チラシと団体紹介リーフレットを制作しただけでなく、Canvaを使ってプレゼンテーションもしてくださいました。

会員募集チラシは、少しずつ印刷し、お伺い先に合わせて内容を変える

会員募集チラシの表面は、障がいのあるお子さんの笑顔の写真がメインビジュアルになり、明るい印象になりました。

そして最上部に追加された青背景の部分には、ブース出展をさせていただくお伺い先に合わせて「〇〇の皆様」の部分を差し替えるため、都度必要な部数を印刷するつもりなんだそう。Canvaを使って自分たちで作るからこそできる、きめ細やかなアプローチですね。

表面の中ほどでは、寄付によって実現できることを3つのプランごとに端的に説明しつつ、裏面では受益者の声や会員特典などを詳しく紹介しています。

使用する色の数を抑え、写真を大きめにあしらい、裏面も当初のものよりメリハリが効いた印象になっています。さらに、「チラシの下部が会員申し込み用紙なので、切り取った後に手元に残してほしい情報が何かをいろいろ悩みながら決定しました」とのこと。すばらしいですね!


この会員募集チラシは、グループ会社の各拠点で対面による会員募集をしていくときに使うそうで、配布時の声掛けや説明のありかたとともに随時ブラッシュアップしていけたらとのこと。

また、これからは母体となる企業の採用説明会などでも配布させてもらえないかも働きかけていくことも考えたいとのこと。それを聞いたユースコミュニティーのインターンさんからは「企業がどんなことをしているか知りたいので、採用説明会での配布や説明があるのはいいと思いました」といった、就職活動中の学生ならではの声もありました。

今回の制作物が、何をどこでどんなふうに配布していくかを考えられるきっかけになるといいですね。

団体紹介チラシも、シンプル&メリハリを大切に

そして団体紹介の3つ折りリーフレットは、当初制作していたものからグっと文字量を減らし、シンプルにされました。しばらくはボランティアさんたちと一緒に自分たちで少しずつ印刷・折り加工をしていくとのことで、折りの部分に文字が被りにくいように余裕をもって配置したのだそうです。

中面では、4つの活動紹介に加えてボランティアさんの声を載せており、この部分が読者の方にしていただきたい関わり方の提案になっています。団体側からすべてを一方的に話すのではなく、話者を変えて語りかけているのがいい感じですね。

こちらのチラシは、チャリティ販売などのイベントの際に商品を買ってくださった方を中心に商品と一緒に渡していけたらとのことでした。

会員募集チラシはこれから配布していくところですが、9月30日までに40名からのご寄付を集めることが目標で、団体紹介リーフレットは800名に配布する目標に対し、8月上旬時点ですでに520部配られたそう。寄付額だけでなく、自分たちの配布数の目標があるのもいいですね。

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投票の結果、最優秀事例賞は…!

後日、第1期参加団体の皆さんにも投票をいただきました。その結果、僅差ではありましたが…最優秀事例賞はWAFCAさんに!

各団体、職員の方だけでなく、たくさんのインターン・ボランティアの皆さんにも一生懸命取り組んでいただいていたので、ちょっぴり心苦しいのですが…。当初の規定どおり、最優秀事例賞の副賞である30,000円は、WAFCAさんにお贈りいたします。おめでとうございました!

インターンさん・ボランティアさんからの声:「団体と関係を深めていける」「団体・活動に対する思いが強くなった」

第2期のキフフDIYプログラムは、大学生インターンさんやボランティアさんがたくさん参加してくださいました。Canvaに初めて触れる方も多かったのですが、どのように感じていたかお伺いしてみましたよ。

「Canvaの使い方はもちろん、客観的な意見や自分では思いつかなかった発想を取り入れていくことができました。団体・活動に対する思いも強くなり、チラシ制作の時間がとても楽しいものになりました。」

「制作を通して団体の人たちから意見をもらうことで、関係を深めていけたし、プロの方から意見をもらえるしで、毎回楽しみにしていました!」

といった、ポジティブな感想をいただくことができました。

他にも、「これまでMicrosoft Power Pointで事業計画書を作っていたが、これからはCanvaで作ってみる」「瓦版もCanvaで作ってみようかなと思っている」「打ち合わせの資料もCanvaで作るようになった」との声もありましたよ。

各団体の職員さんたちからの声:「長いプログラムだけれど、時間をかけるだけよくなる」「Canvaというツールを超えたプログラム」

「このキフフDIY」は4か月以上かかるプログラムということで、「興味はあるけど、期間の長さに尻込みしちゃいそう」という団体さんも多いかと思い、そんな方々への励ましメッセージもいただきました!

「苦労も難しいこともありましたし、確かに長くはありますが、時間をかければかけるほどよくなっていきますし、消えていかない、ずっと残る学びになると思います」(WAFCA北村さん)

「一部のスキルのある職員だけで作るのではなく、みんなで作れるようにすることで、団体としてやっていることに向き合う機会になると思います。Canvaというツールを超えた、いい機会ではないでしょうか」(ユースコミュニティー濱住さん)

…なんともうれしいメッセージです。

そう、デザインは予算やスキルがある団体のだけのものではありません。

今後も、各団体の想いが一人でも多くの方に広がること、それにより喜ぶことが一人でも増えることを願っております!

Canvaの「A」!

キフフDIYプログラム 第3期 参加団体募集中!

寄付を集めたい団体の応援プログラム:「キフフDIYプログラム」は2025年に第3期も開催したいと思っています。

正職員さんだけでなく、ボランティアさんやプロボノさんも一緒に受講いただけるので、ご興味のある団体はお問い合わせください。

Canvaの無料講座をYouTubeで公開中!

「第2期 キフフDIYプログラム」に間に合わなかった団体さん、条件に当てはまらなかった団体さんも、ご安心ください!
Canvaの無料講座をYouTubeで公開しています。
https://www.youtube.com/@design4npo/streams

「もっと自分たちの制作物に特化した講義を受けたい!」という場合は、団体ごとなどでのキフフDIYプログラムのご提供も可能ですのでお問い合わせください。

Canvaの無料講座サムネイル一覧

小規模、中規模の団体でもデザインの力で 大規模団体に負けないくらいの寄付や想いを集められたらとの想いでこうしたプログラムや無料講座を展開していますが、「この広報物はプロの力を借りたい…」という時は、お気軽にお問い合わせくださいね。

<お問い合わせ>
株式会社ガハハ キフフ担当:林田
https://kifufu.net/contact/